そんなに悲観することではないのかもしれませんが・・・。
エイベックスとサイバーエージェントがてがける定額制音楽配信サービス「AWA」ですが、2018年6月22日(金)付で、代表取締役の変更と役員体制を刷新することを発表しています。
また、6月25日にはエイベックスの有価証券報告書よりAWAの2017年度の売上や損失が見えてきましたので、AWAの現状を簡単に紐解いてみます。
会長・社長が退任し、立ち上げ時からの役員体制へ
まず6月22日に発表された代表取締役の変更と役員体制の刷新ですが、サイバーエージェントの発表によると、以下のようにアナウンスされています。
このたび、サービス開始当初から「AWA」の拡大に従事してきたメンバーによる新役員体制へと刷新し、今後も新しい音楽との「出会い」と「再会」を快適に楽しめるようなサービスを追求し、 機能や楽曲の拡充を行うとともに、 日本の音楽業界全体の活性化を目指してまいります。
具体的には、会長の松浦勝人氏(エイベックス社長)と社長の藤田晋氏(サイバーエージェント社長)が退任して、AWAサービス立ち上げ時から関わってきた、エイベックスとサイバーエージェントの人間に、代表を刷新しています。
これをネガティブな交代と捉えるか、ポジティブな交代と捉えるか。
個人的には後者、ポジティブな交代であることを願っていますが・・。
AWAは、サービスの展開スピードや新機能の追加、スマートスピーカーへの対応、Fire TVといった各種アプリ・デバイスへの対応など、多くの機能面で充実したサービスを展開しています。また、それらの対応スピードも凄まじく早いです。
今回の人事で、より専任体制で経営に取り組むこととなり、さらならスピードアップが期待できるので、個人的には楽しみです。
一方、売上は拡大も未だに赤字が続く
しかしながら、実際の経営状況に目を向けてみると、なかなか苦しいものがあります。
6月25日に発表されたAWAの有価証券報告書によると、2017年度の年間売上は約21億円、当期純損失は約17億円となっています。
2016年度は売上が約14億円、純損失が約21億円でしたので、売上の伸びと損失の改善は見られるものの、やはり苦しい体制です。
サービス開始した2015年以降の純資産合計もマイナス46億円です。
まぁ世界最大の定額制音楽配信サービスである「Spotify」ですら赤字体制が続いていますので、やはり音楽ストリーミングサービスというビジネスモデルで黒字転換することは、非常に厳しいものがあるのかもしれません。
AppleやAmazonのように、圧倒的なサービスを展開している上での付加価値として音楽ストリーミングサービスを展開していくことが、正解の道なのでしょうか。
今後の動向にも注目です。