既に案内されていた通り、ソニーグループの定額制音楽配信サービス「Music Unlimited」のサービスが本日(3月30日)午前10時に終了しました。
サービス終了により、ストリーミング配信は当然ながら、これまで蓄積した楽曲を再生できる「オフライン再生」なども利用できなくなり、完全に終了します。
ページは「これまでありがとうございました」って案内のページになってます。
ちょっと使ってただけに残念です。
はっきりいって「Music Unlimited」では、このブログで紹介しているような日本のインディーズバンドの楽曲はあまり提供されていませんでしたが、新たな音楽提供・収益化の方法としてストリーミング配信は期待されていただけに、今回の終了は残念でした。
欧米では「Spotify」と提携した「PlayStation Music」にて引き続きサービスを提供するようですが、日本では本日時点で利用できません。
ストリーミング配信と収益化
Spotifyといえば、既存のレコードビジネスと比較してアーティストに還元される収益が少ないと一部では批判の声も出てきていますね。
しかしこういったストリーミングプラットフォームは、収入ではなくマーケティングという面では非常に重要な集客ツールとして役立っていると思います。
むしろマーケティングツールだと考えています。
僕は現在の音楽が収益を出す上で重要なポイントは、以下3つだと考えます。
- トレンド・流行を自分たちで作ること
- 商流をコントロールし、製作からプロモーション、販売までを自分たちでやること
- 「音楽」だけでなく、付加価値を提供すること
どれも今の時代、全てバンド自身ができることだと思います。
2,3番目は収益化の話ですが、今回書いているストリーミング配信のような新しいツールは、マーケティングツールとして、この「流行を作ること」で非常に重要な役割を果たすと思います。
逆に、そういった意味以外(=収益)では、はっきりいって期待しない方がいいと思うので、さっさと見切った方がいいと思います。
マーケティングがしっかりできていて流行を作る必要がないバンドやアーティストは、売れるもの(それがCDであればCDを、ライブのチケットであればライブのチケットを)を、付加価値とともに売り続ければいいだけですからね。
マーケティングツールとしてのストリーミング配信
ということで、「Music Unlimited」の終了を受けてあれこれ思ったのですが、インディーズバンドが利用できるSpotifyみたいなプラットフォームとかあれば面白いかもしれませんね。
Sound Cloudのストリーミングとか近いサービスかもしれません。
YouTubeがそういった役割を果たしていたかもしれませんが、音楽以外の動画も大量に溢れています。YouTubeで動画を公開すれば、音楽に興味がない人にも届けることができるかもしれませんが、そもそも興味がない人は興味がないですからね。
まぁ、そのプラットフォーム自体「どうやって収益上げるの」とか「利用者が少ないプラットフォームを利用しても意味がない」って悩みは尽きませんが。。
終わりに
何度かこのブログでも書いていますが、「音楽が売れない」「音楽そのものだけの価値では収益化できない」という状況は今後も続くと思います。
でも売れない理由の一つに、マーケティングができていないって理由は絶対あると思います。インディーズバンドがライブの集客に困るのも、マーケティングができていないからです。少なくとも僕自身はそうでした。だれも僕らのことをよく知らないという状況でした。
とにかく既存の方法に捉われず、新しいツールやメディアをどんどん活用して挑戦することが、インディーズバンドだけでなく音楽産業自体が活力を取り戻す一番の筋道かもしれないと思います。