このサイトでこれまで何度か書いているが、近年エレクトロ要素を取り入れたバンドが本当に増えてきている。
時代の流れとともにバンドの音楽性は変わっていくものだが、それにしても多い。
それも、最近はジャンルを問わず、多様なジャンルにエレクトロサウンドが入ってきており、新しいジャンルを生み出していると感じている。
エレクトロとスクリーモを合わせた「ピコリーモ」なんてジャンルも市民権を得たし、最近はエレクトロ+ダンス+メタルコアの「サイバーコア」「トランスコア」といったジャンルも登場している。
エレクトロ+ダンス+メタルコアなんて、字面だけ見ると混ぜるな危険って感じだ。
ということで、エレクトロ要素を取り入れた、エモ・スクリーモ・メタルコア系のおすすめの音楽・バンドを、以下のルールでカウントダウン形式で30位まで紹介してみようと思う。
- 洋楽や邦楽、メジャーやインディーズ関係なく選択
- 少なからずエレクトロの要素が入っていること
- 「最近」なので、過去3年以内を目安に発表された曲が対象
- 一つのバンドからは一つの楽曲のみ選択
- 紹介する順位は完全に僕の好み。ジャンルによって偏りがある点はご容赦を。
それでは、「バンド名:楽曲名」の順で紹介していくので、いってみよう。
30位. Cookiebreed:Shake It Off (Cookiebreed Cover)
出落ちかもしれないが、有名アーティストの曲をエレクトロ・ポストハードコアにアレンジしている。
原曲ファンには申し訳ないが、ヤバイの見つけたと気に入っているのでランクイン。
彼はいわゆるYouTuberなのか、「HOW TO SCREAM, GROWL, SHOUT, PIGSQUEAL」という、スクリーモの仕方を説明している動画が面白かった。
29位. The PlayStations:Story Of An Astronaut
ヤバイの見つけた第二弾。
ロシア発のトランスコアバンド。たぶん完全なインディーズだ。
なかなかに攻めた感じのバンド名だがそこはスルーしよう。
ゴシック系メタルをトランスコアにしたような印象もあるが、ディレイがかかって鳴り響くシンセサウンドがまさに曲名を表しているのか頭に残る。
28位. We Butter the Bread With Butter:Weltmeister
ドイツ発のトランスコアバンドから一曲。
こちらもなんとも言えないバンド名だが、かなり重ためのハードコアだ。
名前の通りバターにしてやるぜってくらいのハードコア。
イントロリフ部分の、いかにもなトランス系の音が気に入っている。
また謎に癖になるメインメロディも必見だ。
27位. American Awesome Alliance:Magnum Cum Latte ft. I Set My Friends On Fire
アメリカ発のエレクトロニカ・メタルコアバンドに、強力なメタルコアバンドがフィーチャリングした一曲。
説明が難しい。
もはやカオスとしか呼べないような楽曲でやりたい放題のSE満載だが、曲の展開が読めずいい感じにふざけているので僕は気にっている。
これはエレクトロと言わないかもしれないが、あえてここにランクインさせたい。
26位. Skip The Foreplay:Mash It Up
はい、イントロに騙されました。
カナダ発、いい感じのパーティロックとみせかけてのメタルコアバンドだ。
メロディックなボーカルラインは一切入らず、最後までデスボイスで歌い続ける点が特徴的。
それでいてメタルよろしくのかっこいいギターソロも入っているなど、様々な音楽の要素を取り入れている一曲。
25位. Fail Emotions:Final Frontier
ロシア発のサイバーコアバンドからはこの曲を。
クラブサウンドで使われるトランス系のシンセをポストハードコア系の音楽に混ぜることで、いい感じに科学反応が起こっていると思う。
新しいジャンルはきっとこうやって生まれてくるのだろう。
24位. One Morning Left:The Star Of Africa
フィンランド発のメタルコアバンド。
アメリカのメタルコアよりは、少し正統派メタルの面影がある。
やっぱり北欧メタルの影響を受けているのか、意外とメロィック部分はキャッチーで、そこにいい感じにトランス音が混ざっている。
ちなみに、公式Facebookには、自分たちのジャンルを「Power BreePoP」と紹介しているが、どういうジャンルなのだろうか。
決してPoPではないと思う。
23位. Icon For Hire:Cynics & Critics
アメリカ発の女性ボーカルバンド。
あえてジャンルを分けるならミクスチャーロックとエモを混ぜたような感じだ。
Paramore以来の、かっこいいバンドだと思う。
ピンク色の派手な髪をして、ゴシックな見た目とは裏腹に、様々な曲を演奏する。
この曲もエモというには少し違うかもしれないが、ダブステップのようなエレクトロを取り込んでいてかっこいい。
22位. BEYOND ALL RECOGNITION:Martyrs
ダブステップとメタルコアを合わせた「ダブコア」を演奏するスウェーデン発のバンド。
むちゃくちゃ重たいメタルコアサウンドに重ねるように、途中から入ってくるダブステップ系のエレクトロ音が癖になる。
また、いかにもな北欧メタルっぽいストリングスやギターサウンドが入っている点も気に入っている。
21位. MUCC:ENDER ENDER
日本発のハードロック系バンドだが、エレクトロを使ったりと少しキャッチーになってきているこの楽曲。
メロディックなフレーズ部分は、ロック調音楽にエレクトロが混ざっていていい感じだ。
リードギターの音作りなどもハードロックを彷彿させ、ハードロック+エレクトロということでランクイン。
20位. Aliens Ate My Setlist:Giants Will Fall
ドイツ発のメタルコアバンド。
このバンドもトランスコアと呼べる曲を演奏しており、デスボイス、メロディラインともに良い。
普通にメタルコアとして重たく激しい曲だが、ピコピコ音を随所に盛り込んでいてエレクトロの存在感がでている。
19位. Glad You’re Gone:Mirage
福岡のインディーズバンドだが、むちゃくちゃカッコいいのでここにランクイン。
正直、日本人とは気づかないくらいのクオリティにビビった。
メタルコアをベースに、いい感じにエレクトロが溶け込んでいる。
ちょっとシンフォニック系の音色というところも僕の好みだ。
18位. CrossFaith:Monolith
日本発のエレクトロ・メタルコアバンド。
海外で爆発的な人気を誇っており、2014年にはイギリスで行われたDOWNLOAD FESTIVAL 2014"でメイン・ステージに出演した程だ。
スクリーモやエモのようにボーカルラインにメロディアスな部分はあまりなく、激しいデスボイスのメタルコア中心だが、楽器隊はギターやエレクトロの音色でキャッチーなリフを演奏している。
17位. SiM:GUNSHOTS
ご存知SiM。
みんな大好きSiM。
ハードコア系とレゲエを合わせたりと常に新しい音楽性に向かって攻めているSiMからは、この曲を選んだ。
スカっぽいリフを使ったり、いかにもなエレクトロサウンドや太いパイプ音を効果的に使ったりして、ダンスナンバーとして良い曲だ。
16位. BULL ZEICHEN 88:Lovely
バンドのスタイルとして、基本はロックとメタルコアを合わせたような楽曲が多いが、この曲はいい感じにエレクトロが使われている。
高速でツーステップを踏みながら踊れそうなイントロのリフが気に入っている。
ちなみにかなり豪華なメンバーのバンドなので、当たり前のように演奏がものすごく上手い。
15位. Memphis May Fire:The Rose
アメリカ発のハードコアバンドから一曲。
このバンドも基本スタイルはポスト・ハードコア的楽曲が多いが、程よくエレクトロが混ざっている楽曲だ。
特にメロディックパートのフレーズが気に入っており、歌うボーカルの声とシンセサウンドがとても合っている。
14位. Caramel Carmela:Till Death Do Us Party
アメリカ発のポスト・ハードコア系バンド。
音色としてのエレクトロを前面に押し出してはいないが、サビ部分のタイトなビートとエレクトロの組み合わせがかなり良い。
聴けば聴くほどクセになる一曲。
13位. ARTEMA:LITE SABER
日本発のバンド。
基本はピコリーモ系のバンドで、日本人好みのキャッチーなメロディが多い。
こういう楽曲こそ、"エモい”と表現できると思う。
メジャー1stアルバム収録曲だが、重たすぎず軽快なナンバーなので僕はこの曲が一番好きだ。
12位. THREE LIGHTS DOWN KINGS:REASON
日本発ピコリーモが続くが、次はこの1曲。
シャウトも入っているが、曲としてハードコアやポストコアといった要素は少なく、基本的に明るいナンバーが多い。
これでもかという程エレクトロサウンドを使い、アップテンポで非常にノリの良いナンバー。
11位. BLOOD STAIN CHILD:LAST STARDUST
日本発のヘヴィーメタルバンド。
初期はヘヴィーメタルバンドだったが、2007年頃から時代に先駆けてエレクトロを取り入れるようになり、最近の曲はピコリーモ顔負けのエレクトロ要素が多い。
スラッシュメタル並みの疾走感が溢れるナンバーで気に入っている。
10位. I See Stars:Murder Mitten
アメリカ発のエレクトロ・コアバンド。
壮大な雰囲気から始まるこの曲は、キャッチーなメロディとデスボイスのバランスが素晴らしい一曲。
エレクトロの音色も様々なものを使っており、重たいギターサウンドといい感じに混ざっている。
9位. sever black paranoia:Abel
日本発のバンドで、サイバーコアとピコリーモを合わせたような楽曲。
どちらかというとピコリーモに近いこの楽曲は、やっぱりキャッチーなメロディなので聴きやすい。
デスボイスパートもメロディックパートのボーカルも、どちらもかっこいい。
8位. Fear, and Loathing in Las Vegas:Thunderclap
日本発ピコリーモ・エレクトロコアといえばの、ラスベガスをここでランクイン。
最近の楽曲はメタルコアの要素が強い気が、彼らの楽曲はメロディとデスボイスのギャップが良い。
このバンドは日本において「Fear, and Loathing in Las Vegas」というジャンルを確立したバンドだと思う。
7位. Issues:Stingray Affliction
初めて聞いた時に衝撃を受けたIssuesからは、この曲をランクイン。
重たいリフに重なるターンテーブルとエレクトロニカ、そしてデスボイス。
そこからつながるサビ部分は、かなり綺麗でメロディックな響きに変わるという新感覚だった。
エレクトロあまり関係ないかもしれないが、彼らもまた、「Issues」という音楽ジャンルを作った気がする。
6位. Bring Me The Horizon:Can You Feel My Heart
イギリス発のメタルコアバンド。
初期はゴリゴリのメタルコアだったが最近は少しだけ柔らかめの曲が多い。
エレクトロサウンドもそこまで使うことは少ないバンドだが、この曲は使い方が好きだったのでランクイン。
基本エレクトロはイントロやサビ部分だけだが、独特の雰囲気を出しており、今後は他に無い新しい方向へ向かって行く気がする。
5位. Amyst:Fall Asleep Under The Sky
ウクライナとアメリカのハイブリッドバンド。
メタルコアバンドでありながら、メロディックなボーカルラインもかっこいい楽曲。
00年頃のミクスチャーロックに、かなり強めのエレクトロを足したようなサウンドが特徴的だ。
EDM系の影響も結構受けているようで、リフにはトランス系サウンドや打ち込みビートが使われていたりする。
4位. Abandon All Ships:Trapped
カナダ発のエレクトロ・メタルコアバンド。
エレクトロ部分が他のトランスコアバンドと比べて、かなり綺麗な響きと透明感で溢れている点が特徴的。ボーカルの声も自然と吸い寄せられるものがある。
解散してしまったのが本当に惜しい。
3位. NEW BREED:A Little Bit Of Bitterness
日本発のバンド。
僕はNEW BREEDの数ある曲の中でもこの曲が一番好きだ。
彼らの他の曲のように重たい部分はないのだが、キャッチーでエレクトロがピコピコなっているサビが本当に好きだ。
正統派のロックにエレクトロ混ぜたストレートな感じが良い。
2位. You And What Army:Into Your Eyes
イギリス発のサイバーコア系バンド。
サイバーコアというよりは、もしかしたらミクスチャーロックの方が正しいジャンルかもしれない。バンド名は「やれるものならやってみろ!」ってスラング。
トランス系のビートに被さる重たいギターサウンドがかっこよく、いかにもなブレイクやメロディックフレーズなどアレンジも含めて気に入っている一曲。
1位. Adam Kills Eve:Ms Destruction
そして、1位に選んだこの曲、イタリア発のスクリーモ系バンドから1曲。
完全に僕の好みかつエレクトロ要素は薄めだが、メロディラインからリフから全てカッコイイ。
王道のコード進行をとっていたり、もはやロックなんじゃないかという一面も出ていたりするが、非常にノリの良いナンバーで好きだ。なんというか、ストレートに耳に入ってくる。
早く新曲が出ないものか。
まとめると
最後まで読んでいただきありがとうございます。
さすがにこれだけ大量のピコピコ系やデスボイスを聴き続けていると、耳が疲れた。
WHOいわく、音楽は1日1時間までらしいので気をつけよう。
そして出来上がってランキングを振り返ってみて、
「なんだよ、お前は結局キャッチーな曲が好きなだけじゃねーか」
と、ツッコミたくなるランキングになってしまったが、その通りだ。
その上でランクキング形式にする意味があったのかと今更ながらに疑問になってきたが、ここまでやったのでこのまま公開しよう。
メタルコアの方が好きな方は、前半と後半の順位を逆にして見て欲しい。
また、「この曲が入ってないなんて!」という意見もあるだろうが、完全に僕の主観と好みなのでご容赦ください。
ちなみに日本のエレクトロニカの代名詞とも言える「FACT」は、最近エレクトロから原点のハードコアに戻っているので、あえて入れていない。自分で作ったルールだが過去作含めてなら必ず入っていた。なんで解散するんだ。。。
とにかく、エレクトロはいろんな音楽に取り込まれていて、かっこいい科学反応を起こしているということを紹介したくて記事にしてみた。
冒頭にも書いたが、バンドのスタイルや音楽性、音楽のジャンルは時代とともに進化していく。
エレクトロに限らず、こうやって新しいスタイルやジャンルがこれからも登場してくることが楽しみだ。