ちょうど1年前にアメリカで始まった、ラッパーのJay Zが手がけている高音質を売りにした定額制音楽配信サービス「TIDAL」ですが、会員数が300万人を超えたと発表がありました。
TIDALそのものは2014年からサービスが始まっており、Jay Zがオーナーになる前から50万人の会員がいましたので、1年間で250万人の会員が増えたことになります。
普通に考えると300万人の会員数はものすごい数字なのですが、ライバルであるApple Musicの有料会員数が1,000万人を超えていたり、Spotifyも有料会員数が3,000万人を超えていたりするので、これらのサービスと比較すると、どうしても見劣りしてしまいますね。
果たしてTIDALに勝ち目はあるのでしょうか。
高音質と独占配信でどこまで勝負するか
TIDALは、ライバルの定額制音楽配信サービスよりも「高音質で音楽を配信すること」と「有名アーティストの楽曲を独占配信すること」をサービスの売りにしています。
実際に、有料会員向けにはCD音質と同レベルの44.1kHz/16bit、1411kbpsのロスレス・クオリティで配信をしていますし、ひと騒動ありましたが、カニエ・ウェストやプリンスといった大物アーティストの楽曲を独占配信でユーザーに提供しています。
今後もライバルのサービスと競争を続けていくには、音質に関してはハイレゾのストリーミング配信などを提供する必要がありますし、独占配信に関しても継続してアーティストを取り込んでいく必要がありますので、体力勝負が続きますね。
Apple Musicは「iPhone」という強力な武器でユーザーを囲い込んでいますし、Spotifyは数の暴力をしばらく続けることができるので、なかなか厳しい戦いになりそうです。
身売り話もチラホラと
Jay Zがオーナーになってから1年しか経っていないので、この段階で成功・失敗など語ることはできないと思いますが、噂レベルで「TIDALが売却される」という報道もチラホラでており、実際に3月の頭にはニューヨークポストが「TAIDAL、SAMSUNGに売却か」と報道していました。
確かに「Apple MusicがiPhone」なら「TIDALはSAMSUNGのAndroid」という流れを作ることができれば十分に勝負はできると思いますし、実際にSAMSUNG側もコンテンツが欲しいはずなので、悪くない話だと思います。
その他、自社サービスがあるので現実的では無いと感じていますが、「GoogleがTIDALを買収しようとしている」という噂も出るなど、火の無いところに煙は立た無い状態が続いています。
実際にどうなるかはわかりませんし、日本においては関係の無い話なのですが、業界の動向には注目です。