2014年3月結成で、都内を中心に活動している医者と宇宙をコンセプトにしたガールズポップバンド「Dr.プラネット」さん。
公式サイトのプロフィール文を引用すると以下のとおりだ。
『ポップ以上ラウド未満の歪なオイシイ関係』
壊れた心電図のように狂れた波形の奇天烈なサウンドでシーンを夢遊する♀1+♂3
追いかけて欲しいから逃げてしまう、天の邪鬼な中毒性のあるアレンジとメロディ。
予定調和の3歩先で振り返ってこちらを見ているバンド
『エレクトロも歌謡もラウドも五線譜に投げ捨てた、片付けられないガールズポップ』
それでは、紹介してみようと思う。
ジャンルに縛られない演奏
また新しい扉を開いてしまった。。。というのが、僕が初めて聞いた時の感想だ。
「アニソンやボカロといった音楽の影響を受けつつも、攻撃的なロックバンドサウンド」という、なんとも下手くそな表現になってしまう。どう紹介するんでしょうね、こういうジャンルを。
ちなみに「ボカロやアニソンの影響を受けている」と思うのは僕の勝手な想像だ。
そもそも、「ボカロやアニソン=中毒性のあるアレンジ・打ち込み系の電子音・多様な楽器構成 」という要素を持っている音楽と考えているが、その考え自体が既に古いのかもしれない。
僕は30代に足を突っ込んでいるので、こういった音楽は曲構成とかも全然予想できなくて楽しく聴くことができるし、「本当に新しい境地・ジャンルだなー」とも思うが、もしかしたらこれが今のシーンでは普通なのかもしれないとすら感じた。最先端を常においかけないと。
聴いてきた音楽が違えば作る音楽も違うように、自分の好きなジャンルの音楽は大きな影響を与えるとは思うが、まさにそういった話を表しているかのようなバンドさんだ。
疾走感のある演奏と、本当に中毒性のあるアレンジとフレーズがかっこいい。
シリアルキラーナイト
アップテンポのビートに、ハードロックを彷彿させるギターリフとアニソンのようなエレクトロ要素が混ざっている一曲。ブリッジミュートとピッキングハーモニクスの後に、ピコピコ電子音が続くなんて、もうこの時点で僕の中での新しい扉だった。
また、YouTube上にリリックビデオが公開されているのだが、なかなか歌詞も怖い面白い。
それでも、こういった歌詞が耳に入ってくるようになっているのは、やっぱりネットやボカロの影響力が強いと思う。そもそも「シリアルキラー」なんて言葉は、普通に生活していると意味すら分からないかもしれないが、そんな言葉も調べればすぐ出てくるし、言葉の意味を理解した上で音楽を聴くと、さらに歌詞に深みを感じることができるだろう。
なお、繰り返しになるが、ご本人達は決してボカロやアニソンに影響を受けたとは言っていない。
太郎ちゃんのテーマ
ボーカルラインやフレーズが全く読めなかった一曲。「すごい」とかいう安い表現で終わらせられないけれど、本当に「すごい」と思う。
勢いのあるバンドサウンドと矢継ぎ早に攻めるボーカルが中毒性を出していると感じている。そして、この言葉数や勢いで攻めるフレーズの中毒性こそが、まさにボカロそのものだと思う。
ボカロP出身のバンドはいくつか登場してきているが、どちらかというとバンドサウンドがメインになっており、ここまでボカロっぽい要素を取り入れたバンドが出てくるとは想像もしていなかった。これに関しては先にも書いたが、「これがボカロっぽい要素」という考え自体がもう古いのかもしれないが。
少しジャンルは違うものの、昨年「ミオヤマザキ」といったアーティストがソニー系のエピックレコードからメジャーデビューしたが、こういった楽曲もどんどん身近になってきそうだと、本当に時代を感じている。
みんなそうだと思うが、やっぱり音楽とともに歳をとっていくと思う。
僕からすると、こういったジャンルの音楽を新鮮に感じているけど、本当に今の10代の人とかはこれが当たり前かもしれない。
なんだか壮大に紹介してしまったけれど、本当に時代を築く可能性のあるジャンルを演奏しているバンドさんだ。