東京は立川を中心に活動するポップ系ギターロックバンド「ねくら」さん。"ねくら”というわりに、全く暗くなく優しい音楽を演奏している。
過去に紹介した「NEKURA saw the Night View」さんといい、自分たちでネクラと名乗る人は大抵ネクラではないと思う。
8月19日に自主制作EP「三原色」を発売されたばかりだが、YouTubeでたまたま見かけたので紹介したい。
ハイトーンボイスの魅力
ハイトーンボイス、ただ声の音域が高ければいいってものじゃない。ウラ声ともまた違う。いや、言葉の意味だけで考えれば、それでハイトーンボイスなんだけども。
極端な話、ただ高いだけのカナキリ声は不快なだけだ。
「声質に濁りがなく透き通ってどこまで伸びていく独特の感じ」こそ、ハイトーンボイスのボーカルと呼べる気がする。そして、この透明感こそが聴いている側に安心感と心地よさを与えており、魅力を出している。
また、僕のこれまでの経験上、地声の高さとボーカルのハイトーンボイスはそんなに関係ない気がしている。もちろん低いガラガラ声の人が、いきなりハイトーンボイスで歌い出すなんてことはあまり聞かないけれど、普段の声質がそこまで高く無い人が、歌いだすと急に透き通った声になるってことはよく経験してきた。
MCと歌声のギャップってやつだが、あれは正直ズルいと思った。
歌声としてのハイトーンボイスが楽しめることはもちろん、MCとのギャップが楽しめる点もハイトーンボイスの魅力といえるだろう。
ハレルヤ
1st自主制作「三原色」の収録曲「ハレルヤ」のPVがYouTube上に公開されている。
思いの外というか意外というか、声数の多いボーカルから始まるが、全体としてはゆったりと時が流れるような一曲だ。
楽曲は非常にシンプルな旋律だが、同じ旋律を異なるアレンジで繰り返すことにより曲に変化が出ている。クリーンとディストーションを効かせた音質では全く印象が異なるように、同じメロディやサビのギターフレーズでもそのようなアレンジが施されている。
ギターソロも、当然のようにかっこいい。
しかしなんといっても、やはり魅力はハイトーンボイスのボーカルだと感じた。
盛り上がるサビ部分には力強いパートもあるが、声が濁ることはなく常に透き通っていて、本当に心地よく耳に語りかけてくる感じだ。
少し切なくも優しい気持ちになりたい時にオススメの一曲。