イギリスの調査会社「MIDiA」の発表によると、SpotifyやApple Musicといった定額制音楽ストリーミングサービスの有料ユーザー数が、2016年12月時点で、全世界で1億人を突破したと発表しました。
2016年は、デジタル音楽配信の世界も本格的にダウンロード型からストリーミング型に移行していましたが、2017年も、この流れは加速しそうです。
Spotifyが40%以上のシェア、Apple Musicが追随
Spotifyは、2008年のサービス開始以来ストリーミング配信市場をリードしていましたが、競争が激化する現在の市場においてもトップシェアを占めています。
2016年12月時点での実際の有料ユーザー数で比較すると、「Spotify」は約4300万人、「Apple Music」には約2100万人、日本では提供されていないサービスですが「Deezer」は約700万人の有料ユーザーがいます。
AppleとSpotifyは加入者ベースで全体の64%を占めるなど、ほぼ二者が独占しているような市場になっており、TidalやNapstarは苦戦を強いられています。
AWAやLINE MUSICといった日本発の定額制音楽配信サービスに関しては触れられていませんが、どんなに多く見ても数十万人ほどの有料ユーザーしかいないはずなので、世界規模で見ると全く勝負ができていない現状です。
Sporifyのシェア率は変わらない
また、MIDiAのMusic Streamer Trackerのデータによると、Spotifyは定額制音楽ストリーミングサービスのトップシェアを誇るだけでなく、純粋な"市場シェア率"も40%前後を維持し続けています。
実際に、Spotifyの2015年Q2の世界音楽ユーザーシェア率は42%でしたが、2015年H2では41%、2016年H1では44%、2016年H2では43%と、Apple MusicやAmazon Prime Musicといった競合サービスの登場にもかかわらず、常に高いシェア率を維持しています。
2017年もストリーミング市場は加速、日本とドイツ市場の変化も鍵に
2015年末時点で定額制音楽配信サービスの加入者は6750万人でしたので、この1年間で約3300万人の有料ユーザーが増えました。
加入者の増加数だけみても、2015年H2は1650万人、2016年H1は1650万人、2016年H2は1640万人と、過去18ヶ月間は同じ勢いで成長しています。
物理メディアの販売やダウンロード型のデジタル配信は数・売上ともに減少する一方で、成長し続ける定額制音楽ストリーミング市場は、現在の音楽業界において明るい材料です。
しかしながら、たとえ1億人の加入者がいても、このビジネスモデルが今後も安定し収益を生み出し続けるかは、未だに確定していません。
実際に世界2位の日本や世界3位のドイツの音楽市場は、未だに物理メディアの売上中心になっており、特に日本においては「定額制音楽ストリーミング配信」というサービス自体が、ようやく認知されてきた段階です。
今後、日本やドイツの市場で定額制音楽ストリーミングサービスが受け入れられるかが、ストリーミングサービス自体の成長や音楽業界全体の成長における、重要な鍵になってきそうです。
Source:
MUSIC SUBSCRIPTIONS PASSED 100 MILLION IN DECEMBER. HAS THE WORLD CHANGED?