スペインのレコード産業団体である「PROMUSICAE」のレポートのよると、2016年のスペイン音楽市場は前年比1.7%増加の1億6370万ユーロ(約200億円※)となり、そのうち音楽ダウンロードや定額制音楽ストリーミングサービスといったデジタル音楽が占める割合は61%となり、1億ユーロ(約122億円)を超える結果となりました。
世界的にデジタルメディアが物理メディアを超える状況が続いていますが、2016年のスペイン音楽市場も同様の結果となりました。
※2017年2月1日時点のレートです。
2016年はデジタルメディアが逆転した年に
今回の発表によると、2015年のスペイン市場におけるデジタルメディアと物理メディアの売り上げ比率は49:51と、かろうじて物理メディアが上回っていました。
しかしながら2016年の結果はデジタルメディアと物理メディアの売り上げ比率が61:39となり、デジタルが大きく成長した結果となりました。
なお、物理メディアの比率は下がっているものの、スペインの音楽市場においてもアナログレコードブームが起こっているようで、売上高は前年比19.6%も増加していると発表しています。
ストリーミング型の音楽配信サービスが成長を支える
スペイン市場のデジタル音楽を支えているものも、やはりストリーミング(サブスクリプション型)音楽配信サービスです。
実際、2016年中にはスペイン国内のSpotifyやApple Music、Google Play、Deezerなどの加入者数が100万人を超えました。
売り上げ比率でみても、Apple MusicやSpotifyプレミアムなどの有料サブスクリプション型の音楽配信サービスの収益は前年比37.4%の増加で6220万ユーロ(約77億円)となりました。
さらに、Spotifyの無料プランのような広告型ストリーミングの収益も、前年比24.7%増の2530万ユーロ(約30億円)でとなり、ストリーミングサービスだけで8750万ユーロ(約107億円)の収益となっています。
デジタル音楽全体が約1億ユーロですので、デジタルの中でもストリーミング型が85%を占めていることになります。
アメリカをはじめ、世界の音楽市場において、デジタルメディアが物理メディアを逆転しており、その成長を支えているのはストリーミング型の音楽配信サービスです。
先日書いたように日本と似ているドイツの音楽市場でも、逆転こそしないもののデジタルメディアの比率が伸びてきています。
2016年の日本音楽市場におけるデジタルと物理メディアの比率は2月末には判明する(おそらくデジタルが20%弱程度)と思いますが、世界の音楽市場からも目が離せません。
Source:
Music sales in Spain rise for the third year in a row, this time 1.7% up