4月10日、デジタル音楽ディストリビューションサービス「TuneCore Japan」は、自身が手がけるサービスによるアーティストへの還元額が、2012年10月のサービスインから2016年末時点で、14億円を突破したと発表しました。
2016年単年度だけでも約8億円をアーティストに還元しており、この還元額は、2015年度の還元金額に対して約200%増加とのことです。
リリース内にも書かれていますが、この成長・増加率と日本国内の定額制音楽ストリーミング配信サービスの拡大は、密接にリンクしています。
今回は、そこにスポットライトを当ててみました。
配信代行と定額制音楽配信がリンクする成長曲線
まず、以下のグラフは日本レコード協会が発表している日本国内の有料音楽配信売上内の「サブスクリプション型」サービスによる売上伸び率です。
Apple MusicやLINE MUSIC、AWAやSpotifyといった多くのサービスが登場したこともあり、2015年から2016年にかけて160%の成長を遂げています。
次に、今回TuneCore Japanが発表したTuneCore Japanサービス経由でのアーティストへの還元額のグラフです。(※注 2012-14は具体的な数字がなかったため、公開されているグラフから推測)
先にも書きましがが、2015年から2016年にかけて200%増と驚異の成長です。
これら二つのグラフを重ねると、完全に同じような成長曲線を描いていますね。
TuneCore Japanの発表では、
ダウンロード型配信による還元額も157%増加、ストリーミング型サービスによる還元額は615%増加
となっており、ダウンロード型サービスによるアーティストへの還元額も確かに増加はしていますが、定額制音楽ストリーミング配信サービスの拡大が、TuneCoreの成長に大きく寄与していることは、言うまでもないですね。
日本においては、今後数年かけて定額制音楽ストリーミング配信サービスが拡がっていくはずですので、TuneCore Japanのアーティスト還元額も、今後ますます増加していきそうです。
楽曲配信代行サービスの今後の可能性
ここからは今後の予測です。
以前の記事でも書きましたが、定額制音楽ストリーミング配信サービスの盛り上がりにより、国内の有料音楽配信売上は年々増加していますが、着うた全盛期であった2009年頃と比較すると、およそ60%程度の売上になっています。
これから再び有料音楽配信が伸びていく時代に突入すると、各音楽配信ストアへの楽曲配信を代行している「TuneCore Japan」は、非常に重要な役割を担うはずです。
着うた全盛期であった2009年頃にも着メロや着うた配信代行をしているサービスはありましたが、TuneCore Japanが日本でサービスを開始したのは2012年ですので、当時は存在しないサービスでした。
もちろんTuneCore Japan以外にも「楽曲配信代行」を行っているサービスもたくさんありますので、そういったサービスも覇権を握るチャンスがありますね。(現状「楽曲配信代行」業界におけるシェア率など調べ切れていないので、今後の課題として調べていきます。)
今後、音楽配信がますます盛んになる日本において、TuneCore Japanや「楽曲配信代行」サービスが、どういったポジションを築いていくか注目です。
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