ドイツの音楽市場が変わってきています。
ドイツ音楽産業連邦協会(BVMI)によると、2016年のドイツ音楽市場は前年比2.4%の成長でしたが、音楽ダウンロードや定額制音楽ストリーミングサービスといったデジタルのシェアが全体の38%を占めるまでになったようです。
これまでは、日本同様にCDやDVD、アナログレコードといった物理メディアのシェアが高かったドイツの音楽市場ですが、ついに変化が起こってきています。
ストリーミングが前年プラス73.1%の急成長、デジタルのシェア伸ばす
ドイツは世界3位の音楽市場(1位はアメリカ、2位は日本)ですが、2011年頃までは日本と同じくらい物理メディアの販売比率が高い市場でした。
詳細は以下のグラフにまとめていますが、2011年時点で物理メディアのシェアが80%以上ありました。
しかしデジタルのシェアが徐々に高まってきており、物理メディアのシェアは2014年が75%、2015年が69%、2016年は62%と下がってきています。
またApple MusicやSpotifyといったストリーミング型の音楽配信サービスがシェアを伸ばしており、ストリーミングのシェアは前年比プラス73.1%と急成長しています。
一方デジタルにおいても、アメリカ同様にダウンロード型(iTunesなど)のシェアは前年比マイナス19.4%と減少していますが、ストリーミング型が完全にカバーしている状況です。
その結果、ストリーミング型のマーケットシェアが24.3%、ダウンロード型のマーケットシェアが12.3%となり、デジタルシェアの中でもストリーミングの割合が高くなっています。
日本の音楽市場も変わるのか
繰り返しになりますが、ドイツ音楽市場における物理メディアとデジタル音楽のシェア比率は日本と非常に似ていました。
日本の2016年の音楽売上シェアはまだ発表されていませんが、2015年時点では物理メディアが全体シェアの85%を占めている状況です。
まだまだデジタルの比率は少ないですが、日本でも、デジタルの中でもダウンロード型よりストリーミング型がシェアを伸ばしています。
実際、2016年3Q時点で、サブスクリプション型のストリーミング売上が、シングル曲のダウンロード売上を上回っていましたので、2016年通期でもストリーミング型のシェアが増えていると予想できます。
Source:
Trend for 2016: €1,58bn overall – Germany’s music market grows for the fourth year in a row (PDF)