みなさん、こんにちは/こんばんは。
本日は2016年12月31日、今年も最後の1日になりました。(更新時点で、残り7時間です。)
この1年間、なんだかんだと、ほぼ毎日更新を続けてきた個人メディア「東京indie」、せっかくなので2016年の出来事を振り返り、個人的なデジタル音楽業界・市場ニュースをまとめていきます。
それでは、いってみましょう。
2016年の振り返り、デジタル音楽業界・市場ニュースまとめ
別にランキング形式などで紹介するわけでもなく、話題になった時期やタイミングなどもバラバラです。
後から見直した時に「2016年はデジタル音楽業界関連で、こんなこともあったなぁ」と思える程度にまとめていきます。
世界の音楽市場、デジタルの売上が物理メディアを上回る
2016年に発表された2015年の統計結果ですが、国際レコード産業連盟(IFPI)の発表によると、2015年の世界音楽産業は、ストリーミング配信などによるデジタル音楽の売上が、CDなど物理メディアの売上を初めて上回りました。
2015年の世界における音楽業界の売上は150億ドル(約1兆6327億円)で、全体の45%がデジタル音楽の売上、39%が物理メディアの売上でした。
日本は未だに売上の8割〜9割をCDなどの物理メディアが占めている独特な市場ですが、音楽市場におけるデジタル化の波は世界中で起こっています。
アメリカ音楽市場でストリーミング売上がダウンロード売上を超える
こちらも2015年の統計情報ですが、アメリカの音楽市場において、初めてストリーミング配信の売上がダウンロード配信の売上を上回りました。
デジタル化が進む音楽売上の中でも、Apple MusicやSpotifyといったストリーミング配信サービスの躍進はすさまじく、今後も売上を伸ばすと予測されています。
実際にiTunesのダウンロード販売売上は頭打ちしており、Apple自身もストリーミング配信のApple Musicへのシフトを加速しています。
また、各ストリーミングサービスの有料会員数も、Apple Musicが1100万人、Spotifyが3000万人など記録しており、その成長率も加速していますので、今後も増加していきます。
デジタル音楽配信における「1再生あたりの価値」を再定義する時がきている
こういったストリーミング配信の成長に合わせて問題提起されている内容が「1再生あたりの価値」です。これまで現在のデジタル音楽配信におかる1再生あたりの価値は、ダウンロードを前提に定義されていました。
1ダウンロードあたり200円などで販売していた音楽が、定額制のストリーミング配信で聴き放題になることにより、1再生あたりの価値は薄まりました。
さらにはSpotifyのようにフリーミアムモデルを展開している場合、音楽を無料ユーザーが1ストリーミング再生した場合の価値と、有料ユーザーが1ストリーミング再生した場合の価値は全く違ってきます。
楽曲を配信しているアーティストに対し、正当なロイヤリティを支払うためには、配信サービスの形態に合わせてフェアな1再生あたりの価値を定義すべき時がきています。
世界最大の定額制音楽配信サービス「Spotify」が日本でもサービス開始
一方で、こういったストリーミング配信が世界中でスタンダードになる流れに合わせて、2016年9月(実質11月)には、日本でも世界最大の定額制ストリーミング配信サービス「Spotify」がサービスを開始しました。
2015年は日本でも定額制音楽配信サービス元年と言われましたが、Spotifyの参入により、ようやく役者が揃った状態になりました。
定額制(サブスクリプション型)音楽配信サービスが日本でも徐々に定着
先ほど書いたSpotifyの参入にも関係しますが、現状日本でも、AWAやLINE MUSIC、Rakuten Musicといった国内発のサービスに加え、Apple Music、Google Play Music、Amazon Prime Musicといった海外勢のサービスなど、多くのプレイヤーが登場してきています。
まだまだ日本での利用状況は低い(現状8%との調査結果も!)ですが、少しずつユーザーにも認知されはじめてきています。
Google Play MusicやApple Music、AWAなどはCM展開にも力をいれていますので、2017年にはもう少し定着が進むと予測しています。
360度ライブ配信動画ストリーミングが当たり前の世界に
テクノロジーの進歩に合わせて、YouTube LiveやFacebook360、Twitter(Periscope)など、360度動画のライブ配信が当たり前にできるようになってきました。
僕は常々書いていますが、音楽ライブの配信こそ360度動画に最もふさわしいコンテンツだと考えています。
視聴者がステージに立っているような臨場感で動画を視聴したり、メンバーの中心で音楽を聴いているような体験、会場を見渡せるような聴き方など、あらゆる可能性が存在しています。
ようやく気軽に配信できる環境が整ってきましたので、2017年は、どんな面白いサービスが出てくるか楽しみです。
最後に
東京indie、いつの間にか自分の好きなテクノロジー系の話やサービス系の話を、たくさん書くようになってきています。
約2年前にメディアを始めた当初は、趣味で聴きに行ったインディーズバンドさんを紹介するだけのつもりでしたが、形が変わってきてしましました。
それでも、インディーズバンド好き・音楽好き・音楽テクノロジー/サービス好きといった多くの人に記事を読んでいただいているおかげで、僕のモチベーションも上がり、メディアを更新し続けることができています。
本当にありがとうございます。
2017年は、もう少しインディーズ界隈に原点回帰しようと思いますが(約束はしません)、来年もよろしくお願いします。