音楽ストリーミングサービス全盛期ならではの出来事です。
多くの人が聞いたことのあるクリスマス・ソングの定番楽曲マライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You(恋人たちのクリスマス)」が、1994年のリリースから23年後の2017年に、全米ビルボードチャートのTOP10に入りました。
音楽の聞き方、チャート集計が変わったからこそ実現
これは、いかに音楽ストリーミング配信サービスが、音楽消費において重要は役割を果たしているか象徴するような出来事ですね。
アメリカのビルボードチャートは、2014年から音楽ランキングの集計にApple MusicやSpotifyといった音楽ストリーミング配信サービスの再生数を加味するようになっています。それを受けて、毎年クリスマスシーズンには「All I Want For Christmas Is You(恋人たちのクリスマス)」をはじめ多くのクリスマスソングがチャート上位にランクインするようになってきていました。これまではトップ10入りには至らなかったのですが、今年ついに9位にランクインを果たしたわけです。
今回の「All I Want For Christmas Is You(恋人たちのクリスマス)」TOP10入りは、レコードやCDの販売数集計だけでは反映されなかった結果であり、より生活者の音楽消費実態に近づいたチャートになってきていると言えそうです。
日本のビルボートやオリコンも変わっていくか・・?
ちなみにですが、日本のBillboard JAPAN Chartも、2017年10月4日発表分より、ダウンロードソング(Download Songs)、ダウンロードアルバム(Download Albums)、ストリーミングチャート(Streaming Songs)の公表を開始しています。現状のチャートは、各部門で別れていますが、そのうち垣根がなくなっていき、「本当に今聴かれている音楽」のランキングになる日はくるのでしょうか?
このあたりは賛否両論あると思いますが、僕は、より実態に近い「本当に今聴かれている音楽」が正確に見えるランキングに意味があると思うんですよね。
もちろんアメリカのチャートも正確ではありませんが、今後もアメリカのビルボードは、シングルチャート「Billboard Hot 100」やアルバムチャート「Billboard 200」において、ストリーミング配信によるデータの集計方法を2018年からさらに変更し、「Apple Music」や「Google Play Music」などの有料サブスクリプションサービスでの再生数を、より重み付けすると発表しています。
こういった動きが続くことで、今後も思いがけない曲がランクインしてくる「本当に今聴かれている音楽」ランキングへと近づいていきそうですね!
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