ここのところ、音楽の定額制配信サービスに関する話題が多いですね。
月額いくらか支払えば、音楽を聴き放題ってやつです。
先日もレコチョクとパイオニアが、定額制音楽ストリーミングサービス「ミュージッククルーズチャンネル」を、5月下旬に発売するカーナビゲーション「サイバーナビ」の新機種から搭載すると発表しました。
昨日も、サイバーエージェントとエイベックスの定額制音楽配信サービス「AWA(アワ)」を、5月27日に正式スタートすると発表がありました。
・AWA
この発表を見て、「あれ?そういえば、エイベックスはソニー・ミュージックとLINEとも定額制の音楽配信サービスやるんじゃなかったっけ?」と気になったので、調べてみました。
相関図を作ってみた
なにはともあれ、定額制音楽配信サービスは登場人物が多いので、まずは相関図を作てみました。
・青色は、協業関係や提供しているサービス
・赤色は、株含む資本関係
・紫色は、残念ながら終わったサービス
・オレンジ色は、噂
といった具合です。
レコード会社は各サービスに楽曲を提供しているので、そういった意味では全員と協業がもしれません。
まとめるのに結構疲れた。。
すると面白いことに、色々と試行錯誤した結果、エイベックスが図の中心に来る相関図が、一番キレイにおさまるんですよね。
この図からも分かるように、エイベックスはサービス事業者同士の協業も、通信事業者との協業も本当に上手くやっています。
国内の主要な6サービスのうち、実に4つがエイベックス関連のサービスです。(厳密には、dTVとUULAは動画配信も含んでいますが)
GroovyやMusic Unlimitedといった他のサービスが終了していったことを考えると、すごい生存率だと思います。
コンテンツを持ち、プラットフォームを持つ強み
こうやって整理すると、3大メジャーレコード会社や各レーベルが定額制音楽配信サービスの提供主体になりきれていない世界において、エイベックスは一歩も二歩もリードしていますね。
自分たちで事務所からレコード会社まで一貫して運営し、所属アーティストの映像や音楽コンテンツも持っており、それらを配信するプラットフォーム、配信してくれるパートナーをいくつも作り上げているエイベックスのやり方は本当にすごいと思いますし、これがエイベックスの強みではないでしょうか。
なんでも手がけてきたことが、ここへきて強い武器になっていますね。
そう考えると、レコード会社のようにコンテンツを持っているところは、エイベックスの立場に自分たちがなれる可能性があるので、ソニー・ミュージックもMusic Unlimitedを終了するべきではなかったと思います。
終了してしまったものは仕方ないとしても、海外では提供している「Play Station Music」を、すぐに日本で提供するべきではないでしょうか。
「LINE MUSIC」も未だ全容は不明なままですし、こうしている間にもエイベックスとの差は、ますます広がっていくと思います。
< 2015.05.27追記 >
どうもタイで「LINE MUSIC」のテストが始まっているようです。詳細は以下記事にまとめました。
音楽配信サービス「LINE MUSIC」、タイでテストが始まっている模様
日本で定額制の音楽配信サービスを成功させるには
完全に持論ですが、やはり通信事業者と組むことか、エイベックスと組むことが、日本で成功する重要な鍵になっている気がします。
まぁ、通信事業者とパートナーになることは、別に音楽系のサービスに限ったことではないですが。
通信事業者は販売網という点では非常に強力なパートナーですからね。
もうすぐアップルのストリーミングサービスが始まるとか、Spotifyが日本にやってくるとか、色々と噂されています。
彼らもエイベックスと組むか、通信事業者とパートナーになる戦略をとるのではないでしょうか。
アップルの音楽ストリーミングサービスは、仮に国内でも提供するとなれば、すでに3キャリアともiPhoneを扱っている現状をみると、特定の通信事業者と組むようなことはしないでしょうね。
敢えて独占的にする意味はないですから。
反対にSpotifyは、国内に進出すれば本当にソフトバンクと組みそうな気がします。
それがもっとも効果的だとSpotify側も感じているはずですし、実現すれば非常に強力なタッグになりそうです。
まとめると
何度かこのブログでも書いていますが、国内の音楽市場は完全に右肩下がりです。
図の通り、有料の音楽配信も着うたの衰退以降、いまいち盛り上がりにかけています。
一方海外では、ストリーミングによるデジタル配信がますます盛り上がっています。
主要レコード会社の利益もストリーミング配信がダウンロード配信を上回ったり、アメリカの音楽産業全体でも、ダウンロードとストリーミングを合わせたデジタル音楽配信の売上がCDを上回るようになりました。
これから日本でも同じ流れが必ずやってくると思うので、「エイベックスが最強説」を信じて、今後の動きにも注目していこうと思います。