都内のみならず全国のライブハウスで活動されている「niente. (ニエンテ)」さん。
2012年9月より現メンバーで活動しており、とても深みのある空間的なサウンドが印象に残る。あえてジャンル分けするなら、ポストロックやシューゲイザーといったところ。
透明感と力強さ
ゆったりと包み込むようなピアノやそれに載せた透明感あふれるボーカルが特徴的だ。本当に吸い込まれるような気分になる
しかし、そういった透明感を壊すかのようにかき鳴らされる力強いギターが入ってくる。公式サイトでも紹介されているように、シューゲイザー系の影響を受けたサウンドだと感じる。
よくバンドの紹介言葉として「独特の世界観」みたいな表現が使われることがあるが、こういったバンドさんこそ、その表現がふさわしいと思う。
音を楽しむことはもちろんだけど、このゆったりとした流れるような空間に浸ることでこそ、niente.さんの全てを楽しめる気がする。
chromatography
Youtubeにライブの様子が公開されている1曲。
やさしいピアノサウンドとボーカルの独唱から始まる
その後も、透き通った深みのあふれる歌声と、伸びのあるノイズ系ギターサウンドに包み込まれる一曲。そしてその隙間を埋めるように優しく鳴りひびくピアノ。
ある意味「壮大な空間」とも言える雰囲気を楽曲で表現しているようだ。
この曲ではボーカルの声すら、楽器の一部・メロディーであるかのように空間を作り出していて、全体を通してゆったりとした一曲になっている。それでいて、決めどころでは激しいクラッシュシンバルや重たく鳴り響きベースサウンドなどをアクセントに使い、6分という大作曲を引き締めていて間延びはしていない。
最初から最後まで急ぐことはなく、ライブバージョンだからかもしれないが、アウトロにも約1分程度時間を使うなど本当に曲の深みを大切にしているようだ。
心を落ち着けたい時にこそ、聴きたくなるバンドさんだと思う。
niente. 3rd ep "Chromatography" Trailer