みなさん、最近ライブハウス行っていますか?
僕はそんなに多く行けてないですけど、月に2回くらいは何かと新しい音楽に出会うよう心がけてます。
ただ都内のライブハウスの場合、だいたい前売り2,000円、当日2,500円くらいが相場なので、なかなか気軽に行けないというのも本音です。好きなアーティストを見に行くならまだしも、新しい音楽への出会い目的だと、正直チケット代が高く感じてしまうこともあります。
そんな「もっと新しいアーティストを見たい」「好きなアーティストのライブに何度も行きたい」というニーズに応えるサービスが「Sonar-u(ソナーユー)」です。
サービスは今年の6月からプレオープンしており、秋に本格リリース予定と案内されていたので、10月になった今日覗いてみました。
ライブ定額行き放題サービス「Sonar-u(ソナーユー)」 とは?
読んで字のごとくなんですが、「Sonar-u(ソナーユー)」月額利用料(1,600円:税別)を支払うことで、対象のライブハウスで開催される特定アーティストのライブに、フリーパスで参加できるサービスです。もちろん、このサービスに協賛しているアーティストやライブハウスかつ、フリーパス対象のライブでないと行けないのですが、協賛するライブハウスやアーティストが増えれば増えるほど魅力的なサービスになっていきます。
すでに有名なアーティストのライブというよりは、いわゆるハコと呼ばれるライブハウスで活動している新人や売り出し中のアーティストが対象となっており、ざっとサイトで数えたところ、全てかはわかりませんが、今のところ対象となっているアーティストは50組くらいでしょうか。
現状で秋を迎えた本格サービスインなのかはわかりませんが、「幡ヶ谷CLUB HEAVY SICK」や「大塚Deepa」といった都内のライブハウスや、大阪のいくつかの有名ライブハウスもフリーパスで訪れることができるようになっていますね。
アメリカでは同様のサービスが拡大!
こういった同様のサービスはアメリカで先行して始まっており、ニューヨーク発の「Jukely」というサービスが、月額25ドルでニューヨーク市内のライブに行き放題というサービスを開始していました。
その後「Junkey」は急成長し、今ではサンフランシスコやロサンゼルス、シカゴなどを含むアメリカの15都市だけでなく、イギリスのロンドン、カナダのトロントなどアメリカ以外でも展開するサービスになっています。
このサービスも大物アーティストのライブではなく、日々、街のライブハウスで行われている新人や若手アーティストのライブがターゲットになっています。
こういったサービスのビジネスモデルが気になる
うーん、調べても出てこないですね。当たり前ですが。
これは僕の想像ですが、ビジネスモデルの仕組み上というか日本のライブハウスの仕組み上、ユーザーから得る月額利用料の一部を、ライブハウス側にも場所の利用料として支払っているはずです。タダでは利用できないですからね。
そうなってくると、結構ユーザー数が拡大しないと何回もSonar-u対象のライブを開催することができないのではないでしょうか。
ということで、勝手に考えてみました。
だいたいですが、渋谷で平日の夜にライブハウスをレンタルする場合は、安くても150,000円くらいが相場です。
Sonar-u(ソナーユー)の1ユーザーあたりの月額費用が1,600円ということは、150,000円を稼ぐには最低でも100人くらいはユーザーが必要になります。
1回のライブ開催するのに100人ですよ。
それも運営費とか抜きのトントンとして。
これが毎日、東京や大阪のどこかしらでライブを開催すると考えると、最低でも3,000人/月はユーザーがいないと成り立たないですよね。
ユーザーにとって魅力的なサービスになるには、繰り返しになりますが対象のライブハウスやアーティストが増えて、参加できるライブの数が増えることです。
先行投資で、まずは赤字覚悟で数を増やしていくのでしょうか。
とにかく拡大していき、月額料金を支払うユーザーが増えれば、当然どこかで分岐点を迎えてビジネスとして成り立ちますが、それまでの展開方法が非常に気になります。
ライブハウスがイベントを主催するとも記載がありましたので、もしかしたら、どうせイベントが決まらなかったライブハウスがオフの日を狙い撃ちにして、場所の利用料を安く抑えているのでしょうか。
海外では、そもそもライブハウスのビジネスモデルが日本とは大きく異なります。
良いか悪いかは別議論として、日本の多くのライブハウスは出演アーティストにチケット代をノルマとして課していますので、お客さんが来ようが来まいが、ライブハウス側が収益を取りっぱぐれることはありません。
一方アメリカなどでは、お客さんが来ないことには収益がありませんので、ライブハウス側も集客に必死です。チケットが売れ残って空きが出るのであれば、少しでも「Junkey」の利用者に来てもらい収益を上げようという考えです。また、多くのライブハウスはレストラン&バーのような形態をとっているので、お客さんが入ればフードやドリンクの売り上げも期待できます。
そういった観点から、日本のように「ホールレンタル代=チケットノルマ代」ではないので、海外の場合は「本来あるはずだった収益」というものをライブハウス側に支払う必要がなく、単純な収益シェアとしてビジネスが成り立っているのではないでしょうか。
まぁ、そういうふうに既存のライブハウスのビジネスモデルを変えていくという意味での取り組みかもしれませんね。
とはいえ、ユーザーとしては非常に魅力的
つらつら書いてきましたが、利用する側のユーザーとしては非常に魅力的です。
何と言っても1回でもライブに行けば、月額利用料分のモトは取ったということになりますからね。
残念ながら、今時点では僕にとって魅力的なアーティストさんがいなかったので利用は見送っていますが、これからも定期的にサービスを覗いていこうと思いますし、日本でも拡まって欲しいですね!