2014年6月結成、神奈川発のピアノ・ベース・ドラムの3ピース構成からなるピアノロックバンド「イトデンワ」さん。僕はどうしてもピアノの音に反応してしまうけど、またしても好きな感じのバンドさんだ。
ギターが無くても問題ない音数と音圧
タイトルで「ギター要らず」と紹介したが、本当にそう感じるくらいピアノの音数やアレンジに富んでいて、物足りなさは全く感じない。「ピアノロック」というジャンルを演奏されているバンドさんは、このあたりのアレンジとか曲構成が上手いと思う。
僕の考えだが、昔「バンドでのキーボード初心者は、役割をギターと徹底的に話すべき」って記事でも書いた通り、バンドにおいて、特にロックバンドにおいて、キーボード/ピアノとギターが共存するのは、しっかりと曲を作りこまないとお互いがお互いを邪魔しあって本当に難しい感じている。
お互いが遠慮しても曲がスカスカになるし、どちらかが出すぎると片方が全く生きない。
このバンドさんの場合は、スリーピースと人数/楽器数が少ないものの、ギターがない分までをピアノが「和音で表現するリフ要素」と「単音のアレンジ」を使い分けて埋めており、ベースやドラムと一緒に音圧もカバーしていて素敵だと感じた。
磁石
2分40秒と短めだが、疾走感のあるビートに乗ったピアノが印象に残る一曲。
マニアックかもしれないが、僕のお気に入りは1番のサビから間奏に切り替わるところで、ピアノがコードから単音に変わる部分のアレンジだ。ピアノのリフが変わるだけでなく、ベースのアレンジやドラムのカウベルなど、絶妙のバランス変化がカッコイイ。
ちなみに、個人的な好みからピアノにばっかり耳がいってピアノのことばっかり書いてしまうけど、ベースラインもおしゃれだ。
あと2番終わりに続くピアノソロなんかは、拍子の変化含め惚れ惚れするソロなのでこちらも一押し。ピアノ好きの人は本当にはまると思う。
Signal
YouTubeにライブPVが公開されている一曲。
軽やかなリフから一転、重厚な始まり方をするロックナンバーだ。
曲を通しても音が軽い部分と重い部分のギャップが明確に出ており、変化を楽しみながら聴くことができる。
また、すごい素朴な感想だけど、これを弾きながら歌ってるピアノボーカルさんが本当にすごいと思う。僕は歌がまるっきりダメだったので、これだけ弾きながら歌える人には素直に憧れるな。