全米レコード協会(RIAA)が発表した最新の音楽販売統計によると、2016年のアメリカ音楽市場において、ストリーミングの売上高が音楽市場全体の51%を占めました。
2015年には、音楽ストリーミングサービスの売上が、音楽ダウンロードの売上を上回ったばかりでしたが、わずが1年で市場全体の5割を占めるまでに成長しています。
SpotifyやApple Musicが市場を牽引
今回の発表によると、2016年のアメリカ音楽市場の売上は、全体で前年比11.4%増の77億ドルとなり、6年連続で前年の実績を上回って成長を続けています。
前年はわずが0.9%の伸びでしたが、今年は10%以上成長しており、この伸び率は1998年以来最大の伸び率となっていますので、いかにストリーミングサービスが市場を牽引しているかが分かります。
そのうちストリーミングサービスの売上が全体の51.4%を占めており、ダウンロード販売の24.1%、CDなど物理メディア販売の21.8%を上回って、昨年に続き音楽売上において最大の比率を占めるようになりました。
引き続き有料サブスクリプションサービスの伸びが顕著
これまでも何度か書いていますが、ストリーミングサービスは、SpotifyやApple Musicなどの「有料サブスクリプションサービス」、PandoraやSIRIUS XMといった「ラジオ型ストリーミングサービス」、YouTubeやVEVOといった「非サブスクリプション・非オンデマンドストリーミングサービス」の3つ区分に分けられています。
なかでも「有料サブスクリプションサービス」が2015年と比較し11.6億ドルから24.7億ドルへと、100%以上の成長を遂げています。
アメリカの音楽市場全体が77億ドルですので、「有料サブスクリプションサービス」だけで音楽市場全体の3割弱を占めることになりますね。
2016年はSpotifyの有料会員が4000万人を超えたり(現在は、5000万人を超えています)、Apple Musicの有料会員も2000万人を超えたりと、爆発的な勢いで音楽ストリーミングサービスが成長しましたので、当然といえば当然の結果かもしれません。
一方、日本の音楽市場は?
あらためて4月頃に発表があると思いますが、2016年の日本の音楽市場は、未だに物理メディアが80%以上を占めており、ストリーミングの売上は、市場全体の10%前後に止まっています。
今後の動向にも注目です。
Source:
News and Notes on 2016 RIAA Shipment and Revenue Statistics(pdf)