株式会社インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所が、定額制音楽配信サービス(サブスクリプションサービス)の利用実態調査を実施し、その調査結果を発表しています。
発表によると、定額制音楽配信サービスの利用率は「現在利用している」が11.9%で2016年8月の前回調査よりも2.8%増加しています。
また、現在メインで利用してるサービスは、前回に引き続き、Amazonがプライム会員向けに提供している「Prime Music」が40.6%でトップとなり、前回調査より4.4%増加した結果になりました。
定額制音楽配信サービスの利用経験は約3人に一人まで
今回の発表内で、定額制音楽配信サービスの利用率は「現在利用している」が11.9%で、「過去に使用したことがある」が18.3%となっていいますので、両者を合わせた一度でも定額制音楽配信サービスを利用したことがある人数は31.2%です。
前回の調査時点では25.6%と約4人に一人の利用経験でしたが、定額制音楽配信サービスの利用経験は、約3人に一人の割合まで増加してきました。
2016年後半にかけて、楽天がてがける「Rakuten Music」や、世界最大の定額制音楽配信サービス「Spotify」などもサービスを開始しましたので、そういった背景を踏まえて、利用経験者が増加したようです。
メインのサービスは、「Prime Music」、LINE MUSICやAWAの利用率は下がる
定額制音楽配信サービスを現在利用していると回答した人に対して利用実態の詳細を調査したところ、現在メインで利用してるサービスは、Amazonがプライム会員向けに提供している「Prime Music」が40.6%と最も高い結果になりました。
続いて、「LINE MUSIC」の12.5%(前回調査から5%ダウン)、「Apple Music」の9.5%(前回調査から1.2%の増加)、「AWA」の7.2%(前回調査から1.6%ダウン)、「Spotify」の7.1%(前回調査時はサービス未提供)の順となりました。
Prime Musicは引き続きトップの利用率ですが、やはりプライム会員向けのサブセットサービスとして提供されていることが強みですね。
「どうせプライム会員になっているから使おう」といった感じで利用している人が多いと感じるとともに、有料のプライム会員サービスの浸透率に驚きますね。
そのほか、今回の調査結果では、LINE MUSICやAWAの利用率が下がっている点に注目です。
要因としては、やはりSpotifyの登場が大きいですね。
今回の調査では、前回調査時にはサービスを提供していなかったSpotifyの利用率が7.1%もありましたので、やはり相当、各定額制音楽配信サービス同士で競争が激化しているようです。
今後も、こういったサービス利用利率の微妙な変動は続くと見込まれるので、注目です。
不満は変わらず「曲数の少なさ・好きなアーティストが配信していない」点
最後に定額制音楽配信サービスの不満点ですが、「好きなアーティストの曲が配信されていない」(43.5%)、「楽曲数が少ない」(27.8%)、と続いており、前回調査時と同じような回答の傾向です。
僕も各サービスの配信楽曲については調べていますが、やはりユーザーが聴きたい日本人アーティスの楽曲が配信されていないことが多いですね。
各サービス開始からもうすぐ2年ほど経ちますが、このあたりは、なかなか改善されておらず、おそらく今後もこのような状況が続くと予想できます。
前回も書きましたが、配信楽曲数・配信アーティストの不満を払拭できたサービスが、国内でのシェアを拡大できることは間違いないですが、なかなか難しそうです。
Source:
利用率は2.8ポイント増の11.9%、メインで利用しているサービスのトップは「Prime Music」定額制音楽配信サービスの利用に関する調査結果2017