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日本の音楽著作権管理事業者である株式会社NexToneは、YouTubeとの著作権の包括的な利用許諾契約を新しく締結したと発表しています。
新契約では、YouTubeデータエクスチェンジに基づいた仕組みをNexToneが積極的に活用することにより、YouTubeからの精度の高い利用実績報告を受領し、楽曲の再生回数など実態に応じた著作権料の回収を実現するようです。
Value Gap解消への第一歩か?
今回の取り組みはあくまでNextoneが著作権を管理する楽曲(EXILEや浜崎あゆみなど)が対象ですが、本当に大きな一歩だと思います。
これまでは、例えば年間の著作権料は定額であったり、広告売上の数%であったりと、楽曲の再生数とは全く無関係の指標で著作権料が支払われていました。
非常に極端な例え話ですが、1億回再生されても広告売上がゼロだった場合、一切著作権料が支払われないというケースもあり得た状況です。
それが、新契約によって、Nextoneが管理する楽曲(約10万曲)を利用した動画がYouTube上に登録された際に、正確な再生数や利用実績を識別し、アーティスト側に、楽曲が使われた動画の再生数などに応じて上限なく著作権料が分配されるようになります。
著作権料の分配をめぐってはApple Musicのような完全有料サービスと、Spotifyなどのフリーミアムサービス、YouTubeのような完全無料サービスの間で、大きな格差が生まれていることが世界的に問題になっています。
この格差を総じて「Value Gap」と呼ばれているのですが、今回の動きは、Value Gap解消への大きな一歩だと思います。
YouTube データエクスチェンジとは?
今回識別に用いられるYouTube データエクスチェンジとは、利用されている楽曲データに対し、YouTubeがデータによる透明性の高い方法でシステム照合を行うプロセスを指しています。
NexToneなど著作権管理団体が自身の管理する作品のデータをYouTube上に提供することで、YouTubeも正確に利用楽曲の識別ができるようになる仕組みです。
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