ついに、この時がやってきました。
日本以外でも唯一音楽CDが売れ続けていた市場である「ドイツ音楽市場」ですが、2018年上期、ついにCDの売上をSpotifyやApple Musicといった音楽ストリーミングサービスが上回りました。
デジタル音樂配信の売上が全体の58.9%を占める
2018年7月18日にドイツ音楽産業協会(BVMI)が発表した声明によると、現在のドイツ音楽市場では、ストリーミング配信やダウンロード配信といったデジタル音楽配信の売上高が業界全体の売上高の58.9%を占めています。
一方CDなどの物理メディアは41.1%となっており、完全にデジタルがCDを上回っています。
さらにデジタルの中でも音楽ストリーミング配信サービスは2018年上半期に35.2%伸び、現在は市場全体の47.8%を獲得しているとのことで、完全に音楽ストリーミング配信サービスがCDなどの物理メディアを超えました。
Source:ドイツ音楽産業協会(BVMI)
この表からも分かるように、ほんの6年程前までは、日本同様CDなど物理メディアの売上が80%を超えていたドイツ市場なので、驚くべき変化のスピードです。
現状世界の音楽市場は、ストリーミング配信の市場シェアが40%近くなので、もはやドイツ音楽市場は特殊な市場ではなく、世界と同じになりましたね。
一方で、見過ごせない全体売上金額の減少も
このように世界と同じ音楽市場になったことが良いことなのかどうかは、一概には言えない一面もあります。
今回の発表内では、2018年上期の音楽市場全体の売上も発表されましたが、前年同期である2017年上半期の742百万ユーロ(約970億円)と比較して、売上高が2%減少し、2018年上半期は727百万ユーロ(約950億円)の売上高となりました。
やはりCDの売上減少により、当たり前といえば当たり前ですが、単純な売上金額減少が発生してしまっています。
「変化には痛みが伴う」とはよく言われますが、まさにドイツ音楽市場は痛みを伴いながら変化しています。
日本の市場は、あと数年は物理メディア優勢が続くと予想していますが、ドイツ同様の変化が起こる日はくるのでしょうか。
僕の個人的な希望としては、売上減少をネガティブに捉えず、ドラスティックに変化をして欲しいですが・・・どうなることやら。
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