2017年12月にAppleは音楽認識/検索アプリ開発「Shazam」の買収を発表しましたが、この買収について欧州委員会(EU)が独占禁止法を懸念し、調査を開始したのが2018年2月のことです。
現時点でも調査が続いており、買収手続きは完了していませんが、ここへきて買収の承認が得られそうと海外メディアが報じています。
2018年9月9日追記
無事に承認を得られて、買収が進みそうです。
Apple Wins EU Antitrust Approval to Take Over Shazam Service
Spotifyへの影響度合いが調査の対象になっていた
今回なぜこのような調査が行われたかというと、現在、Shazam経由でSpotifyに流入しているトラフィック量が相当あることが理由だと言われています。
実際にユーザーはShazamを利用して音楽を検索した後は、Apple MusicやSpotify、他の音楽ストリーミング配信サービスなど、さまざまな音楽プラットフォームを利用して音楽を聴いていました。
このような状況においてAppleによる買収が完了すると、Apple Music以外の音楽ストリーミングサービスへのトラフィックをシャットダウンしたり、Shazamを完全にシャットダウンしたりするなど、Apple Musicの競合他社サービスにとって悪影響が及ぶことが懸念され、独占禁止法の調査対象になっていました。
悪影響は及ぼさないとの結論になりそう
このような状況で欧州委員会による調査が始まりましたが、競争政策を担当している欧州委員会委員の"Margrethe Vestager"氏によると、「ヨーロッパ圏で音楽ストリーミングサービスの利用者は増え、近年、環境も大きく変化しています。 今回の買収が進んでも、音楽ファンは引き続き自分たちにとって魅力的な音楽ストリーミングサービスを楽しむことができるので、買収の結果としてユーザーの選択肢が少なくなることはない」と語ったようです。
今回の調査締め切りは9月4日であり、EU当局は9月18日に取引を承認するかどうかの最終決定を行う予定です。
しかし、ロイターなど海外メディアによれば、今回の審査でEU当局はAppleによる買収を無条件で認めると報じていますので、おそらくAppleによるShazam買収は承認されそうです。
AppleがShazamを買収した後、どのような戦略を展開するのかは明らかになっていませんが、きっと素晴らしい音楽体験を提供してくれそうですね。
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