Apple MusicやAWAなどをはじめ定着しつつある定額制音楽配信サービスですが、株式会社アクセルエンターメディアおよび株式会社クロステックラボは、自身が開発・運用するWebベースのスマートフォン向け音楽定額聴き放題サービス統合システム「Xplayer Suite(エックスプレイヤースイート)」をリリースし、「Xplayer Suite」採用の第1弾サービスとして、「ミュージックマイン」とそのサブレーベルによる楽曲を中心にしたインディーズ音楽の月額定額制音楽配信サービス「dig dig Musicmine.jp(ディグディグミュージックマインジェーピー)」を、2016年3月14日から開始しました。
iPnoneおよびAndroidといったスマートフォン向けサービスになっており、正式サービス開始は4月末としています。
インディーズレーベル・アーティスト単位での定額制配信を実現
今回リリースされた「dig dig Musicmine.jp」の最大の特徴は、アーティストやレーベル自身が、自らのファンに対して低コストで楽曲を定額制配信できるという点です。
実際のところ、印税や権利の問題でApple MusicやGoogle Play Musicといった大手の定額制音楽配信サービス向けに、自分たちの楽曲を提供していないレーベルやアーティストがいます。
そういった懸念を解消し、「気軽に低コストで定額制音楽配信サービスを、レーベルやアーティスト自身が行う」ということを実現するために、「Xplayer Suite」はリリースされました。
プレスリリースによると、「Xplayer Suite」を応用してアーティストやレーベルはWebサービスを提供する形になるので、サービス提供の為の会員管理や課金といった基本的なサービスは当然ながら、楽曲登録システムや売上・会員管理、著作権・原盤印税報告書集計などのバックエンドも既存システムの応用なので、低コストでの実現が可能としています。
サービスのカタチとして定着するか
たしかに配信する側のアーティストやレーベルにとっては、「自分たちの理想の条件で収益をあげる」という意味では魅力的なサービスだと感じます。また、特定のレーベルやアーティストのファンだけに対して、言い換えると、「既に自分たちを知っていて楽曲配信を心待ちにしている人」に対して定額制で音楽を提供できるという意味でも、メリットはあるように感じます。
しかし、Apple MusicやAWA、LINE MUSICなど大手のサービスに配信する場合は、大勢の人が集まっている中に自分たちの音楽を提供するので、「知らない人にも知ってもらえる」というメリットもあります。
このあたりのバランスをとることは非常に難しいですね。
この「dig dig Musicmine.jp」は、 考え方としては「ファンクラブの延長線」のようなサービス位置付けになるのではないでしょうか。
プレスリリース内では、この「Xplayer Suite」を応用した定額制音楽配信サービスの開発と運用にどの程度のコストがかかるのかは「要問い合わせ」となっていたので詳細は分からないですが、ある程度固定ファンのいるレーベルやアーティストにとっては、しっかりと回せるビジネスになりそうです。
今後の動向も要注目です。
アーティスト・レーベル向けアプリ不要Webベース SaaS型スマートフォン向け音楽定額聴き放題配信システム『Xplayer Suite』をリリース