日本でも多くのユーザーを抱える動画投稿サービス「TikTok」の運営母体である中国のByteDance社が、2019年秋にも独自の定額制(サブスクリプション型)音楽ストリーミングサービスに参入する計画があると、複数の海外メディアが報じています。
米ブルームバーグ誌によると、ByteDanceは2019年秋に多くの新興市場で、新しい音楽ストリーミングサービスを開始する予定とのこと。
すでにインド市場での動きを加速させるために、レコード会社大手「T-Series」や「Times Music」とライセンスに関するディールも実施済みと報じています。
音楽業界に多大な影響を与えるTikTok
TikTokは音楽に合わせたダンス動画や振り付け動画などで多くのユーザーを集めてきましたが、TikTokで人気に火がつき、ブレイクする音楽・アーティストも出てきています。
実際に日本でも「倖田來未:め組のひと」といった楽曲はリリースから5年の時を経て再ブレイクをしました。
また海外では、今年に入り全米ビルボードチャート1位を獲得したLil Nas Xの「Old Town Road」という楽曲が、TikTok経由でブレイクしました。
このように音楽業界に多大な影響を与えるTikTokという巨大なオーディエンス基盤を持っているByteDanceが、音楽ストリーミング配信サービスに参入するのは自然な流れかもしれません。
打倒Tencentへ
今回ByteDanceが音楽ストリーミングサービスに参入することは、やはりライバルである同じ中国のIT企業「Tencent」との競争をさらに激しくするためと見られています。
報道の通りであれば、ByteDanceグローバルな音楽市場ではなく、(音楽において)新興市場に参入予定ですが、まさに中国もそのとおりで、SpotifyやApple Musicといったグローバルのサービスよりも、Tencentの手がけるQQ Musicなどが中国音楽市場において大きな存在感を見せています。
先日Tencentについて書いた記事でも同じ言葉で占めましたが、"音楽コンテンツは海賊版しか出回らない”とまで言われていた中国音楽市場で、TencentとByteDanceがどのような勝負を繰り広げるか、今後の動向にも注目です。
あ、ByteDanceの音楽ストリーミング配信サービスは日本に来るのかな。まぁこないだろうな。
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