2013年1月結成で、渋谷・新宿・下北沢といった都内を中心にライブ活動を続ける「アマアシ」さん。知り合いにに勧められて聴いたのだが、どの曲もかなり作りこまれていてカッコイイ。
バンド名の由来など分からず検討違いだったら申し訳ないが、シトシトと降る雨や激しく降る雨を、音楽で表現しているようだ。
どの曲も構成に深みがある
バンドの基礎は透明感と伸びがあるボーカルの声を効かせたギターロックだが、落とすところと盛り上げるところの強弱のつけ方や、タイトなドラムパターン、出るところは出てくるベースライン、様々な音色を奏でるギターなど、楽器隊の演奏も本当にカッコイイと感じた。
今回は、2015年4月に販売開始した最新アルバム「ユウダツ」を聴く機会があったのだが、6曲とも本当に作りこまれている。それぞれの楽曲が異なる顔、違う味を持っており、似たような曲は一つもない。
さらには曲のフレーズやメロディーだけでなく、間奏部分にも強いこだわりが感じられる。長い曲では1分近く間奏があったりもするが、それぞれ拍子の変化やキメ、ギターソロなど色々な要素を含んでおり、進行が全く予想できない。
シンプルな楽曲が好きな人にとっては若干お腹いっぱいに感じてしまうかもしれないが、僕はこういう楽曲も好きだ。
灰色の街
今回聴いた6曲の中で最も気に入った一曲。ここまで高速の5拍子ロックナンバーはとてもインパクトが強かった。
ゴリゴリのベースサウンドから始まり、複雑に尖ったギターが重なるイントロがカッコイイ。AメロやBメロ部分では勢いそのままに、少し切ない空気感を出している。しかし、その後に続くサビは再び盛り上がるなど、曲の変化がはっきり出ている。さらに2番サビ終わりの間奏が複雑に盛り上がっていて本当に気に入っている。サビ終わりに一瞬入るブレイクなんかも深みと渋さを感じた。
本当に作りこまれていて完成度が高いので、特にバンドマンにオススメしたいナンバーだ。
待たぬ朝に
印象的なリードギターが耳に残る、3拍子のナンバー。
静かなバラード調の曲かと思いきやサビに向けて徐々に加速していき、力強いギターポップ・ロックな楽曲になっていく。この曲は間奏部分にてリズムギターとリードギターの両方を印象付けているので通常のギターロックに比べて少し長めの表現になっているが、そこもまたカッコイイ。
また他の曲にも言えることだが、文学的な歌詞も特徴的だ。ボーカルの、アマアシというバンドの世界観が音楽で表現されているようにも感じた。
なお、僕は3拍子や変拍子の曲が好きなので今回はこの2曲を紹介したが、もちろん普通の4拍子の曲も収録されている。というか、残りの曲はほぼ4拍子だ。それでいて、タイトなドラムのリズムパターンや半拍前に入るコードチェンジなど、様々なアレンジが楽曲についているので、どの曲も聴いていて楽しい。
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