Appleは、日本時間6月9日午前2時に開幕したWWDC2015で、かねてから噂されていた新しい定額制音楽ストリーミング配信サービスである「Apple Music」を、正式に発表しました。
ついに明らかになったApple Music
発表されたサービスの概要としては、音楽のストリーミング配信だけでなく、数万曲のミュージックビデオを配信したり、24時間いつでも世界中のラジオを視聴できる機能や、ファンとアーティストをより深くつなぐ機能、ユーザーの好みの曲を自動的に配信する機能なども提供するようで、6月30日以降に世界100ヶ国以上でサービス提供開始するとアナウンスされています。
また、当初はiOSやMac OS向けに提供されますが、秋以降にはWindows OSやAndroid OS向けにも提供予定です。
気になる価格は月額9.99ドルとなっていますが、最初の3ヶ月は無料でトライアルできます。あわせて、6人以内の家族でシェアできるファミリープランもあり、こちらは月額14.99ドルです。
ただし、開始日や料金に関して、「日本ではどうなるか」と明確な表記がないですが、すでにApple Musicの日本語公式サイトも登場していますので、提供されると期待して良さそうです。
<Apple Music日本語サイト>
カギは曲数とキュレーションの精度
先日エイベックスとサイバーエージェントのサービスである「AWA」のレビューでも書きましたが、曲数に関しては、やはり最も気になる点です。
この記事投稿時点では、日本においてどのレコード会社が参加するのか、また邦楽はどの程度のラインナップがあるのかなど、詳細は発表されていません。
売上の中心がCDとはいえ、世界2位である日本の音楽市場を本気で定額制ストリーミング配信のターゲットにするのであれば、邦楽ラインナップは必ず取り揃える必要がありますが、果たしてどうなることでしょうか。
もう一点、目玉機能として紹介されているキュレーション機能の精度が、「月額料金を支払ってまで利用したいサービス」になれるどうかのカギを握っていると思います。
公式サイトでの紹介文を引用してみます。
Apple Musicのメンバーにとって、今持っているお気に入りのコレクションは、ほんの始まりにすぎません。
Apple Musicライブラリにある、数えきれないほどの曲も聴けるようになるからです。
ここでは私たちのエキスパートによる専任チームが、あなたを夢中にさせる新しい音楽を見つけるお手伝いをします。
あなたのためだけに選び抜かれたおすすめの曲を楽しんだり、音楽の世界から彼らが見つけてきた新しい注目作品を全部チェックすることもできます。
エキスパートによる人力紹介かよ。。って突っ込みたくなる紹介文章ですが、おそらくディープラーニングでのキュレーションを、アップルらしくおしゃれに比喩表現しているだけでしょうね。(そう信じたい。。)
これまでにないユーザー体験=新しい音楽との驚くような出会いこそが、月額料金を支払う付加価値だと思います。
日本国内で続々とサービスが始まって盛り上がりをみせる定額制音楽配信サービス、すでにiTunesで一定の市場を押さえているアップルの参入により、ますます目が離せなくなりそうです。