世界最大の定額制音楽配信サービス「Spotify」ですが、複数の海外メディアによると、2017年3Qの売上が約12.4億ドルとなり、2017年通期での売上が約49.5億ドル(約5386億円)に達する見込みだと報じています。2016年通期の売上が約33億ドル(約3590億円)でしたので、前年比で40%も成長していることになります。
ただし、売上は増えており損失の額も減ってはきているものの、依然として数億ユーロレベル(一説では年間3億ユーロ)の赤字を出してる状態に変わりはないとのこと。今年はついに上場する見込みとも報じられていますが、果たしてどうなるでしょうか。
音楽ストリーミング配信サービスの未来はいかに・・。
これは完全に僕の想像なんですが、世界最大規模を誇るSpotifyですらこの状況ということは、音楽ストリーミング配信サービス、実はビジネスモデル的に厳しいんじゃないかとすら、少し感じるようになってきました。
確かにSpotifyやApple Musicの登場により、世界的に音楽市場はドン底を脱出して再び盛り上がりを見せています。僕も色々な国の音楽市場を紹介していますが、殆どの国でストリーミング音楽配信サービスの台頭により、市場が回復してきています。
でも、その回復を牽引しているSpotifyが事業として年間の売上で5000億円強しかなく(充分すごいですが)、赤字を脱出できていない状況というのは、Spotifyの「フリーミアム」というビジネスモデルや大きな範囲では音楽ストリーミング配信サービスのビジネスモデル自体が、実は非常に成立が難しいのではと、正直疑問に感じるところがあります。
アーティストへのロイヤリティが重くのしかかっている?
現在Spotifyには1億4000万人以上のアクティブユーザーがおり、そのうちの半数にあたる7000万人が有料会員ですが、当然無料会員が視聴した音楽に対してもアーティストへのロイヤリティ支払いは必須となっています。無料会員が音楽を視聴する時には途中で広告が流れるので、この広告による収益をロイヤリティ支払いにあてているのですが、これが充分まかなえていないのでは・・という疑問があります。
また有料会員は月額利用料制ですが、実はこの月額ユーザーから徴収している金額でも、無料会員分を含めたロイヤリティ支払いが追いついていないために、赤字が続いているのでは、とすら想像してしまいます。
実際のところは不明ですが、このあたりは非常に興味がある部分なので、もう少し掘り下げていけるよう引き続き調査していこうと思います。しかし、Spotifyにはなんとしても赤字を脱出して欲しいなぁ。
Source:
Spotify reportedly grew its revenues by 40% last year