国際レコード産業連盟(IFPI)の発表はまだですが、イギリスの調査会社「MIDiA」が独自に発表したレポートによると、2019年の世界の音楽市場は対前年比11.4%の成長となり、金額にすると215億ドル(約2兆2847億円)となりました。
それによると、2019年の世界の音楽市場は対前年比8.2%の成長となり、金額にすると202億ドル(約2兆1530億円)となりました。
これで世界の音楽市場は5年連続の増加となり、ストリーミング音楽配信の成長が一部では鈍化しているといわれているものの、引き続き市場を牽引しつづけていますね。
ストリーミングの成長速度は若干鈍化するも市場は成長
発表によると、ストリーミング音楽配信は引き続き音楽市場成長の主な要因であり、2018年比で24%増加の119億ドル市場に達し、全レーベル収益の56%に相当します。
しかしながら成長自体は若干鈍化しており、ストリーミングによる収益は、2018年比で23億ドルの増加と、2017年〜2018年の成長に比べて6400万ドル減少しました。
それにもかかわらず、市場全体が成長できているのは、ダウンロード販売とCDなど物理メディア販売の減少が、2018年より4億ドル少なかったからのようです。
ストリーミングが食って変わっているダウンロード販売やCDなど物理メディア販売の減少下げ止まりが、結果、市場を押し上げるという何ともな結果になったようです。
レーベル別売上構成は大きく変わらずも、完全独立系が存在感を出す
2019年の音楽市場全体をレーベル別で見ていくと、メジャーレーベルの売上は67.5%を占め、2018年の68%から、わずかながら減少となり、インディーズ系レーベルとアーティストは32.5%を占め、前年の32%から、わずかに増加しました。
画像引用:MiDIA
一方、MiDIAは、「アーティストダイレクト収益」と呼ばれている、レーベルに所属していない完全独立系のアーティストの数字も作成しましたが、それによると、2019年の彼らの収益は、昨年比32.1%増加の8億7300万ドルになり、市場全体の4.1%を占めるているようです。
個人での音楽配信が容易になり、TikTokといったソーシャルビデオプラットフォームで突然の大ヒットを生み出す昨今の音楽市場を見ていると、今後も完全独立系アーティストの存在感は増していきそうです。
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