世界最大の定額制音楽配信サービス「Spotify」ですが、ついに上場しそうです。

米Billboardなど複数メディアの報道によると、既に証券取引委員会にSpotifyの上場目論見書が提出されたとのこと。目論見書によると10億ドル規模の上場を計画しているようです。また以前にも紹介しましたが、証券会社がついて主導するIPOではなく、やはりSpotifyが直接株式を公開する「DPO(Direct Public Offering)」にて上場するようです。

上場先はニューヨーク証券取引所予定とのこと。

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本当に赤字のまま上場しそうなSpotify

これも何度か書いているとおり、赤字上場が悪いことではありませんが、提出された上場目論見書を見ると、Spotifyの2017年の売上は40.9億ユーロに対し、純損失額は1.35億ユーロとなっています。2016年は売上29.5億ユーロに対して純損失が5.39億ユーロでしたので、赤字幅は解消しているものの、まだまだ厳しい戦いが続いている状態ですね。

一応、Spotifyの2017年12月31日現在の月間アクティブユーザー数1.59億人、プレミアムプラン(有料プラン)加入者も7100万人と公開されており、ライバルであるApple Musicのユーザー数の約2倍を獲得するなど、足回りの数字や収益はしっかりしています。また2017年のフリー・キャッシュ・フローは1.09億ユーロとのことだったので、今年のサービス展開や収益プラン次第では、問題なく運営を続けていけそうです。

それでも、いつになったら黒字経営になるのかは、非常に気になるところです。

ビジネスリスクについても公開中

また今回提出された上場目論見書によると、「競合サービスの製品優位性」「ロイヤリティ問題」「訴訟リスク」など、ビジネスリスクについても触れていますので、1つずつみていきます。

競合サービスの製品優位性

これは、ライバルであるApple MusicやAmazon Music Unlimitedなどが自社のスマートスピーカーであるiPhoneやHome Pod、Amnazon echoといったスマートフォンやスマートスピーカーとセットで定額制音楽配信サービスを提供していることを意味しています。

やはりデバイスとセットの囲い込み戦略は非常に優位であり、アメリカでは今年中にApple Musicの有料加入者がSpotifyに追いつくなども言われています。

もちろんSpotify側もその重要性は認識しているので、先日「ハードウェア開発のPM」募集が公開されるなど、スマートスピーカー製造に向けて動いているかもしれません。

訴訟リスク

こちらは以前紹介しましたが、Spotifyは現在、ニール・ヤングやソニック・ユース、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンなど大物アーティストが所属するアメリカの大手著作権管理・音楽出版社「Wixen Music Publishing」より、1800億円以上の著作権料支払いが行われていないとして大規模な訴訟を受けているようです。

個別の訴訟に関する報道が全て正しいかはさておき、過去にも同様の訴訟は何度も受けている状態です。今後さらに訴訟が続くことで、財政面・ビジネス面でのリスクが出てくる可能性はゼロではありません。

ロイヤリティ問題(Value Gap)

こちらは訴訟リスクとも関わってきますが、定額制音楽配信サービスには「アーティストへのロイヤリティが安すぎる」という問題がつきまとっています。特にSpotifyやYouTubeのような無料でも音楽を聴くことができるプラットフォームは、「Value Gap問題」として、やり玉に上がっています。

現在は収益ベースでのアーティスト還元が中心ですが、今後再生数ベースでの還元などがメインになってくると、無料ユーザーを多く抱えるSpotifyのビジネスモデルにとって、痛手になる可能性もあります。

まとめると

サービス開始から10年以上を迎え、ついに音楽配信サービスの巨人Spotifyが株式公開へ向けて動き出しました。果たしてどのようなカタチになるのかは分かりませんが、「定額制ストリーミング音楽配信サービス」というサービス自体がビジネスモデルとして成り立つのかという、ひとつの指標になりそうです。

Source:
Spotify Files to Go Public

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