米Bloombergの報道によると、YouTubeは、ユニバーサルミュージックグループとソニーミュージックグループの2大音楽レーベルと著作権に関する長期契約を締結し、新しい有料(音楽配信)サービスへ一歩前進したようです。
すでにワーナーミュージックグループとは契約を締結していますので、これで世界3大レーベルと著作権に関する契約を締結したことになります。
音楽の価値、著作権分配、ValueGap問題解決へ
今回の契約、細かな契約内容などは公開されていませんが、大きな焦点はYouTube上で再生された音楽から生まれる収益(著作権料、ロイヤリティ)の正当な分配に関する契約だと言われています。
これまで何度かこのメディアでも紹介してきましたが、YouTubeなど無料で見ることができる音楽サービスとApple Musicなど有料の音楽配信サービスとでは、同じ「1再生」においても、再生数あたりのロイヤリティが全く異なるという「Value Gap」の問題が、度々取り上げられていました。(Value Gap問題については過去記事で解説していますので、今回は割愛します)
このValue Gapを解決するための契約締結により、YouTube上での広告収益や今後サービス開始が予定されている有料サービスからの収益が、正当に音楽業界に還元されることになりそうです。
はっきりいって今のYouTubeという存在はアーティストや音楽業界にとって必要不可欠な存在になっていますので、今回の契約締結は非常に大きな意味がありそうです。
ただし、どこまでValue Gapが解決されるような契約なのか正直不明です。仮に新しいYouTubeの有料サービスがSpotifyと同じように「無料でも広告付きで利用できる」サービスであれば、厳密にはValue Gapは解決していないことになります。(Apple Musicなどは、完全有料サービスであり無料プランは存在しないので、1再生あたりのロイヤリティが高い)
いずれにしても2年以上かけて世界3大レーベルとの契約にこぎつけていますので、今後の動向にも注目です。
Source:
YouTube, Music Labels End Standoff, Move Toward Paid Service